糸リフトの種類は?それぞれの特徴や効果について解説
糸リフトは、ほうれい線やたるみなどのお悩みを改善できる美容施術です。
糸リフトにはさまざまな種類があり、素材の種類によってそれぞれ異なる特徴を持っています。
そのため糸リフトの施術を受ける際には、理想とする仕上がりや希望する引き上げ力の強さなどを考慮したうえで、自分に適したものを選ぶことが大切です。
この記事では、糸リフトの種類について詳しく解説します。
素材の種類や形状の種類、製品ごとの特徴とおすすめの人などもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。
糸リフトとは
糸リフトは皮膚の中に医療用の糸を挿入し、リフトアップする美容施術です。
挿入した糸を内側から引き上げることにより、たるみやほうれい線などを改善できます。
フェイスラインの輪郭がくっきりとするため、小顔効果が期待できるのもメリットです。
また糸リフトに使用される糸にはさまざまな種類があり、種類によってはたるみやほうれい線の改善だけでなく、コラーゲンやエラスチンの生成促進によって肌のハリ・ツヤ感が向上する効果も期待できます。
たるみやほうれい線にお悩みの方はもちろん、肌のハリやツヤが気になっている方にもおすすめできる美容施術です。
糸リフトに使用される素材の種類
糸リフトに使用される素材の種類は『溶けない糸リフト』と『溶ける糸リフト』の2種類に分けられます。
ここではこの2つの素材の種類についてそれぞれ解説します。
溶けない糸リフト
溶けない糸リフトは、挿入した糸自体が半永久的に皮膚に残り、2年~3年程度効果が持続する特徴があります。
しかし半永久的に感染リスクが残るデメリットがあるため、一般的にはあまりおすすめされていません。
溶けない糸リフトは以下の2種類があります。
- ポリエステル+シリコン
- 金糸
ここでは上記2種類についてそれぞれ解説します。
ポリエステル+シリコン
ポリエステル+シリコンの溶けない糸リフトは、従来のPP素材の物よりも高い柔軟性と伸縮性を持つ特徴があります。
顔の表情筋に合わせてしなやかに伸び縮みするため、より自然なリフトアップ効果が期待できる点がメリットです。
リフトアップ効果の持続期間は2年~3年程度で、施術3週間後からはコラーゲンが生成されることで肌のハリ・ツヤが改善効果も期待できます。
金糸
金糸は純金で作られた糸リフトで、たるみの引き上げ効果よりも美肌効果が高い特徴があります。
コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸の生成が促進され、肌のハリやツヤがアップする効果が10年~15年程度持続するといわれています。
金は皮膚との調和性が高く、アレルギーリスクも低いものの、クリニックによっては医療レーザーやMRI検査を受けられなくなる可能性があるため、その点も考慮したうえで検討する必要があるでしょう。
溶ける糸リフト
溶ける糸リフトは、挿入した糸が時間の経過とともに体内に吸収されていき、最終的には皮膚に糸が残らないことが特徴です。
リフトアップ効果は半年~1年程度と、溶けない糸リフトと比べて短くはなりますが、感染リスクや副作用が少ないメリットがあります。
溶ける糸リフトに使われる素材は主に以下の3種類です。
- ポリジオキサノン(PDO)
- ポリカプロラクトン(PCL)
- ポリ-L-乳酸(PLLA)
ここでは上記3種類についてそれぞれ解説します。
ポリジオキサノン(PDO)
ポリジオキサノン(PDO)は糸リフトの施術だけでなく、外科手術でも用いられる素材の一つです。
費用が比較的リーズナブルのため、初めて糸リフトをする方にもよく選ばれています。
柔軟性が高く、細かなしわやたるみを目立ちにくくする効果が期待できるのが特徴です。
さらに皮膚の引き締め効果や肌のハリ・弾力の向上などの効果も期待できるため、美肌効果を得たい人にもおすすめです。
効果の持続期間は半年~1年半程度で、効果を持続させたい場合は吸収前に再施術を受ける必要があります。
ポリカプロラクトン(PCL)
ポリカプロラクトン(PCL)は、リフトアップ効果と持続性のどちらも併せ持つ素材です。
しなやかで柔軟性に優れており、口元や目元などのよく動く部分にも使用されることが多いです。
効果の持続期間は2年~3年程度で、溶けない糸リフトの持続期間にも匹敵します。
挿入時の痛みが少ない特徴もあるため、痛みに弱い方にもおすすめできる種類です。
ポリ-L-乳酸(PLLA)
ポリ-L-乳酸(PLLA)はさまざまな手術に使用される素材で、生体親和性に優れた生分解性ポリマー(体内で加水分解される素材)の一つでもあります。
引き上げ力が強いため、脂肪に厚みがある方やフェイスラインをV字に引き上げたい方などにおすすめです。
ただし素材感がやや硬めのため、施術直後は引きつれ感が出やすい点に注意が必要です。
効果の持続期間は1年半〜2年程度が目安となります。
糸リフトに使用される糸の形状による違い
糸リフトに使用される糸の形状には、以下の2種類があります。
- コグ(とげ)・コーンあり
- コグ(とげ)・コーンなし
コグやコーンの有無によって、効果に違いがあります。
ここでは上記2つの違いについて解説するため、ぜひ参考にしてみてください。
コグ(とげ)・コーンあり
コグ(とげ)やコーンが糸の周辺についているものは、皮膚に挿入した際に周辺組織に引っかかり、よりしっかり皮下組織を引き上げられる特徴があります。
コグがついていないものと比べてリフトアップ効果が高くなるため、よりしっかり効果を得たい場合に適しているでしょう。
またコグ・コーンのついているものの中でも、全方位にコグがついているものやコグとメッシュどちらもついているものなどがあり、コグの大きさによっても効果に違いが現れます。
基本的にコグが大きいほうが引き上げ効果が大きくなりますが、効果が強すぎると肌に凹凸ができるリスクもあるため注意が必要です。
コグ(とげ)・コーンなし
コグ(とげ)やコーンのついていない糸リフトは、コラーゲン生成による肌のハリ・ツヤがアップする効果が特徴です。
リフトアップ効果よりも肌質改善効果を重視する方におすすめです。
もちろん自然なリフトアップ効果もあるため、整形感を出さずに皮膚を引き上げたい方にも適しています。
糸リフトの製品ごとの特徴とおすすめの人
糸リフトには100種類以上ありますが、ここでは代表的なものを10種類厳選して紹介します。
ここでは製品ごとの特徴とおすすめの人をそれぞれ解説するため、ぜひ参考にしてみてください。
ショッピングスレッド
ショッピングスレッドは、髪の毛よりも細い糸です。
皮膚の浅い部分に挿入しても違和感が生じにくく、同時にコラーゲンの生成促進効果も期待できます。
糸が細い分持続期間も短くなりますが、肌になじみやすいため、違和感なく糸リフトを挿入したい方におすすめです。
また肌質改善効果を目的とする方にも適しています。
シルエットリフト
シルエットリフトは、円錐状の立体的なコーンが糸の周囲についた糸です。
コーンが皮下組織に引っかかり、強いリフトアップ効果が期待できます。
円錐状のトゲは360度調整できるため、しっかりと皮下組織を引っかけることが可能です。
また持続期間も2年~3年程度と長いため、たるみが気になっている方や効果の持続期間を重視したい方におすすめです。
ミントリフト
ミントリフトは、360度全方向に皮下組織を引っかけるコグがらせん状についているのが特徴です。
この特徴的なコグによって皮下組織をしっかりホールドするため、リフトアップ効果に優れています。
また糸自体の強度が高く、効果が長く持続する点も大きな特徴です。リフトアップ効果を重視する方に適している糸リフトでしょう。
ただし糸が太い分、皮膚が薄い部位や浅い部分へ挿入する場合、肌の表面から糸が透けてしまう恐れがあります。
挿入した糸が目立ってしまう可能性があるため、自分の肌質や挿入する深さを考慮したうえで検討しましょう。
ゴールデンリフト
ゴールデンリフトは、ポリジオキサノンに金をコーティングしたもので、高い美肌効果が期待できます。
皮膚に挿入することによりコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸の生成が促進され、毛穴の開きや乾燥肌、ニキビなどさまざまな肌悩みに良い影響を与えられます。
肌悩みに悩んでいる方や美肌効果を目的として糸リフトを行う方におすすめです。
ただしゴールデンリフトを挿入するとMRI検査やCT検査が受けられなくなる可能性があるため、その点を理解したうえで検討する必要があるでしょう。
アンカーリフト
アンカーリフトはさまざまな方向にコグが入った特殊な形状をした糸リフトです。
特殊な形状によって皮下組織をしっかりリフトアップします。
細くしなやかな特徴があるため、リフトアップ効果のみでなく肌のハリやツヤの改善効果も期待でき、韓国のMFDS(食品医薬品安全処)の認可も取っています。
リフトアップと同時に美肌効果も得たい方や、フェイスラインや口元のたるみが気になっている方におすすめです。
ボブリフト(VOVリフト)
ボブリフト(VOVリフト)は、糸が細く柔らかい糸リフトです。
糸自体をカットしてコグをつける従来の糸リフトとは異なり、糸自体にコグをつけた形状となっており、糸の固定強度を高めています。
さらにコグの先端も丸みを帯びているため、挿入時の痛みが抑えられる点もメリットです。
効果の持続期間は2年~3年程度と長く、長期間の効果を期待できます。持続期間の長い糸リフトを挿入したい方はぜひ検討してみてください。
テスリフト
テスリフトは、強いリフトアップ効果が期待できる糸リフトです。
コグのついた糸をさらに網目状の3Dメッシュで覆った形状をしており、肌に挿入することで皮下組織がしっかりと3Dメッシュに絡みつく仕組みとなっています。
強いリフトアップ効果を求める方や、過去に糸リフトの施術を受けて効果に満足できなかった方におすすめです。
VXIL
VXILは、生体内に吸収される医療用の糸であるPDOを使用した糸リフトです。
プレススカルプティングという技術が使われており、1cmあたりに12個ものコグがついています。
このコグによって皮下組織をしっかりと固定できるのが特徴です。
またPDOは糸自体に摩擦力が生まれる特性があり、肌を強く引き締められます。
PDO自体は手術の縫合にも使用されているため、糸リフトの安全性が気になる方におすすめです。
バーブツーアンカー
バーブツーアンカーは、2方向にバーブ(小さなトゲ)がついているのが特徴です。
この特徴的な形状によって皮膚をしっかりと引き上げ、たるみに対する高い改善効果が期待できます。
顔の丸い輪郭をシャープにしたい方や、部分的なたるみに悩んでいる方におすすめです。
TEX3D
TEX3Dは、ポリカプロラクトン(PCL)とポリ-L-乳酸(PLLA)の複合素材でできた糸リフトです。
3Dタイプのコグが糸についており、強力なリフトアップ効果が期待できます。
ほうれい線やフェイスラインなどさまざまな部位に挿入でき、効果の持続期間は1年~1年半程度です。
フェイスラインを整えたい方や施術のしやすさを重視したい方は、TEX3Dを検討してみるとよいでしょう。
まとめ
糸リフトには、溶ける糸リフトや溶けない糸リフト、コグ・コーンあり、コグ・コーンなしなどの種類があります。
どれを選ぶべきか悩んでしまう方も多いかもしれませんが、副作用や感染リスクの少なさから、基本的には溶ける糸リフトをおすすめします。
今回解説した内容を参考に、自分の肌悩みや希望する条件に合った糸リフトを選んでみましょう。
カラーグランツクリニックでは、医療用の糸として手術の縫合などでも使われるポリジオキサノン(PDO)とTEX3Dの糸リフトを使用しています。
希望や悩みにそった丁寧なカウンセリングを行っているため、糸リフトの施術を受けるか悩んでいる方もぜひ当クリニックまで気軽にご相談ください。
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執筆者
院長
天本 夏希Amamoto Natsuki
Color GlanZ Clinicのホームページをご覧いただき、ありがとうございます。クリニックにご来院くださる皆様が「自分らしさ」を大切にできるよう、そして毎日鏡を見るたびに「Color GlanZ Clinicへ来てよかった」と思っていただけるような施術をご提供できるように、現状に満足することなく、学び続けることを心掛けております。
経歴
- 2015年3月 佐賀大学医学部卒業
- 2016年4月 国立病院機構佐賀病院 初期研修医
- 2018年4月 湘南美容クリニック福岡院勤務
- 2019年11月 福岡市内美容皮膚科勤務
- 2023年9月 Color GlanZ Clinic勤務